授業をしない塾として知られ、参考書を徹底的に活用し、自宅学習の指導なども行っているのが武田塾です。武田塾は本部の直営のほか、フランチャイズによる展開が行われています。
本記事では武田塾のフランチャイズの特徴を中心に、フランチャイズは儲かるのか、加入にかかる費用などをまとめました。
武田塾のフランチャイズの概要
武田塾は「授業をしない塾」として全国各地に校舎を展開しており、学習塾市場においても存在感を発揮しています。
本項目では武田塾のフランチャイズに関する概要をまとめました。
開始3年間で100校舎以上
武田塾は2006年に御茶ノ水本校が設立され、市川校と合わせて2校体制で長らく続いてきました。2013年に市川校を譲渡する形でフランチャイズ展開がスタートします。すると、破竹の勢いでフランチャイズが展開されていき、2015年には全国50校舎を達成し、2017年には100校舎、2018年には150校舎を達成します。
フランチャイズ展開がスタートしてからわずか3年間で100校舎以上になったのです。積極的なフランチャイズ展開が功を奏し、その後も全国に校舎が増えていき、2024年には400校舎以上を記録するまでとなります。
武田塾の特徴と強み
武田塾は「授業をしない」形式を採用しており、生徒が自学自習で学力を向上させることがポイントとなっています。徹底した計画作り、進捗管理を行っており、1人1人の生徒に合わせて学習スケジュールが立てられ、目標設定が行われています。
周到な準備により、個別の学習が強化されていき、授業をしない形であっても学力が伸びていきます。
フランチャイズ展開の背景
武田塾では、主に受験指導を中心に力を入れており、自学自習の重要性を説いて、生徒にしっかりと学習させていく形を採っています。生徒が主体的にやらなければ合格できないと強く意識づけを行わせる点も革新的な学習塾として注目を集める要素です。
このオリジナリティが近年の少子化で競争が激化する塾業界において武器となっています。そして、他にはあまりないビジネスモデルなだけに、元々学習塾を運営していた会社が武田塾のフランチャイズに参加するなど、武田塾のやり方に賛同してフランチャイズに参加するケースも珍しくありません。
武田塾フランチャイズの主な特徴
わずか数年で劇的な成長につながった武田塾のフランチャイズ展開ですが、さまざまな特徴が存在します。本項目では、武田塾のフランチャイズにおける特徴をまとめました。
「授業をしない塾」の経営モデル
武田塾の最大の特徴である「授業をしない塾」により、生徒に自学自習を訴え、オリジナルの勉強法や進捗管理を提供するビジネスモデルが構築されています。
他の予備校と比べ、授業を提供する必要はなく、代わりに勉強計画の管理やサポートに集中できるのが魅力です。そのため、指導に長けた優秀な講師は必要なく、講師に依存しない形で経営ができます。人件費をある程度抑制しつつ、質の高いサービスが提供できるため、ある程度人を集めて結果を出していけば、おのずと利益が出るスタイルです。
決めごとは基本的に多数決
武田塾における運営のルールなどはフランチャイズのオーナーたちの投票で決められ、民主的なやり方で進んでいきます。個々の話し合いもそれぞれで行われていくため、風通しは基本的に良く、前向きな話し合いが行われやすい環境です。
そのため、トップダウンで全てが決まり、方針に追従するのみということではなく、オーナーたちの投票で決まっていくため、強い不満や不信感を抱くことなく、フランチャイズへ参加できることも大きな特徴の一つです。
武田塾フランチャイズにおける加入費用と契約条件
武田塾のフランチャイズに参加するには、当然のことながら、加入費用や契約条件が存在します。本項目では加入費用や契約条件についてまとめました。
武田塾の加入費用の詳細
武田塾のフランチャイズに参加するには、各種初期費用がかかります。開業資金はシンプルで、およそ300万円です。この300万円は加盟金の名目ですが、この費用の中には研修費や開業サポート費なども含まれています。
フランチャイズの加入に関する費用は、武田塾のフランチャイズ加盟説明会などで紹介されており、費用の内訳に関する疑問点などをぶつけることも可能です。
武田塾への加入に関する契約条件
武田塾との契約はフランチャイズ契約で、その期間は5年とされています。ただし、自動更新となっているので、5年おきに審査を受けるわけではありません。
フランチャイズで注目されるのがロイヤリティの存在です。武田塾では売り上げの15%がロイヤリティとなっていますが、学習塾におけるロイヤリティの相場で見ると平均的です。他の業界と比べると高めのロイヤリティですが、人件費がかかりにくいため、高めのロイヤリティであっても成立しやすいと言えます。
武田塾のフランチャイズは儲かる?
武田塾では「現実的な収益モデル」を用意しており、年収1,000万円がさほど難しくないことを示しています。武田塾の客単価が1人およそ6万円台と高く、50人程度を集めるだけで売り上げはおよそ4,000万円ほどになるのです。
この4,000万円からロイヤリティや人件費、家賃などを抜いていくと、手元には1,000万円以上残ります。フランチャイズの校舎が多くなれば、それだけ手元にお金が残りやすくなり、儲けが増えていく形です。
生徒数が50人でも十分な利益を残せるほか、より生徒数を増やせば利益もそれ以上に出るでしょう。その点を考えると武田塾のフランチャイズは基本的に儲かるシステムであると言えるでしょう。
武田塾のフランチャイズに加盟するメリット
武田塾は他にはないビジネスモデルであるため、加盟を検討する方が非常に多い状況です。ここからは武田塾のフランチャイズに加盟するメリットをまとめました。
収益性や安定した運営サポート
武田塾のフランチャイズ参加のメリットは、何といっても収益性の高さにあります。50名を集めればオーナーの年収1000万円以上が見込めるという部分が大きな魅力となっています。
武田塾の場合は、勉強計画を策定して管理していくのがメイン業務のため、講師数を極力抑えることもできます。一方で、運営に関する相談なども本部にしやすい環境となっており、本部からの強力なバックアップも魅力の1つです。そのため、同業者が武田塾のフランチャイズに転じるほか、別業種から武田塾へ参入することも珍しくありません。
強力なライバルがいないジャンルで勝負できる
武田塾の場合、授業をしない塾というコンセプトがありますが、同じコンセプトで武田塾に勝負を挑むケースは少ないのが実情です。一方で、他の業界には強力なライバルが非常に多く、しのぎを削ります。つまり、強力なライバルがいないジャンルにおいて、武田塾の看板を使って勝負ができるのです。
あとは、いかに武田塾が素晴らしいかを伝え、結果を出していくだけです。他の予備校・学習塾は同じ手法のライバルが多すぎますが、武田塾はそのライバルが少ないという点で加盟における大きなメリットと言えるでしょう。
武田塾のフランチャイズに参加したオーナーの口コミ・評判
武田塾のフランチャイズについての説明ページでは、フランチャイズに参加したオーナーのインタビューが掲載されています。
横浜を中心に活動する株式会社CAIの久保田淳さんは、加盟当時は横浜で学習塾を展開していました。当時は小学生・中学生を対象にしており、大学受験を対象にした事業展開を考えている最中でした。
そんな中、授業をしない塾である武田塾と出会います。武田塾のスタイルに久保田さんは感銘を受け、すぐにフランチャイズに参加しました。加盟後は広告宣伝を打たなくてもすぐに問い合わせがくる状況に驚かされたそうで、集客力の高さにびっくりしています。
生徒たちの成績もどんどん上がり、武田塾のビジネスモデルに改めて感銘を受けたそうです。これまでの学習塾の運営経験から、保護者対応やクレームの少なさにも驚くなど、今までの常識は必要ないことにも久保田さんはびっくりしています。
手ごたえを感じた久保田さんは武田塾の教室をどんどん増やし、結果としてフランチャイズの中でトップの校舎数を構えるに至りました。
武田塾へのフランチャイズ加盟が向いているケース
武田塾へのフランチャイズ加盟を検討する方の中には、自分は向いていそうかどうかを不安に感じる人もいるはずです。最後に武田塾へのフランチャイズ加盟が向いているケースについてまとめました。
ビジネス的な計画に長けている
武田塾のフランチャイズに参加したい人が多いため、オーナー面談において厳しく質問を行い、パートナーになれそうかどうかを見ていきます。その際にポイントとなるのが、ビジネス的な計画に長けているかどうかです。
単に儲かりそうだからという理由では、武田塾のオーナー面談で確実に落とされてしまいます。なぜ武田塾のフランチャイズに参加したいのかという時に、ビジネス的な計画をしっかりと立てられて、利益を出すためにどのようなことができるのかを冷静に見極められるかがポイントとなるでしょう。
与えられた環境で頑張ろうとする
武田塾の面談では、どのエリアでフランチャイズ展開を認めるかについて、色々な話し合いが行われます。勝手知ったるエリアで勝負したいと思う人がほとんどですが、その願いが叶うかは微妙であり、希望するエリアで既にフランチャイズ展開がなされている場合もあるのです。
武田塾の面談では、どのエリアで出店したいかが聞かれます。その際に「意地でもこのエリアで出店したい」と主張するよりも、ある程度妥協して方針に従う方がいい結果を生む傾向にあります。
与えられた環境で頑張ろうとする姿勢が持てるかどうかが重要であり、自分が出すぎるのはあまりよくないと言えます。
まとめ
武田塾のフランチャイズは、順調に規模を拡大できればそれだけ儲けも出やすく、年収も確保しやすくなります。
しかし、フランチャイズへの加盟のハードルは高く、面談をいかに乗り切れるかがポイントです。単に武田塾の教育に感銘を受けただけでなく、別の要素、特にビジネス的な要素があれば、フランチャイズへの加盟に向けて十分なチャンスがあると言えるでしょう。